さっぽろ起業道場
少し前のことですが、一般財団法人さっぽろ産業振興財団主催の「さっぽろ起業道場」という研修に参加しました。
15人ほどの起業希望者を対象に、延べ3日間にわたって起業に必要な基礎知識の講義を行う研修で、中小企業診断士の先生が講師でした。
内容はホントに基礎的なことで、参加費1万円の価値があるかというと微妙なとこです。講義の中で印象に残ったことは、、、あまりないです・・・
(起業本に書いてあるようなことばかりです。あくまで基礎的な研修ですので。。)
ただ、札幌では移動販売(メロンパンや焼き鳥などなど)の成功事例が無い!と断言してらっしゃったのが納得でした。
(冬の札幌は道路も空き地も雪に閉ざされ、ワゴン車で移動販売する余裕は無いことが大きな要因)
参加メンバーのレベルも、すでに起業している人もいれば、なんとなく起業に興味ありという人もいて千差万別です。起業希望者と交流したい人には楽しいかもしれません。
最大のメリットは、この研修に参加すると将来法人を設立する時に印紙代などが半額になることです。法人化すべきかどうかは、起業する業種や税金面などを総合的に勘案して決めるべきものです。
副業としてはじめるビジネスで、すぐに法人化が必要になることはまず無いと思います。
最終日に参加者各人によるビジネスプラン発表会があります。
各人のプランに対して講師が講評していくのですが、まず口にされるのが、起業は甘くないですよ!ということでした。
私もこれは全く同感です。生意気言わせていただくと、参加者のほとんどが上手く行かないだろうな・・・と思わされました。
プランの中身云々よりも強く危惧されたのが、みなさんランニングコストを甘く見ているところです。
初期費用のことはそれなりに心配して、日本政策金融公庫の融資制度をすごく調べている方もいました。
でもですね、初期費用なんて資金繰りのはじめの一歩の話であって、起業するのであれば調達できて当たり前なんです。
(クリアできなければ、できるようになるまで力を蓄えればいいんです。幸運にも親が資産家だったなら親に土下座すればいいんです。)
しかしですね、ネイルサロンをやってみてしみじみ感じさせられましたが、大変なのはランニングコストなんです。
テナント料、人件費、水道光熱費、広告料、原材料費、利益が有ろうが無かろうが毎月必ず払い続けるものです。
私は、サロンの利益がゼロ円でも店を継続できる算段を立ててオープンさせました。
黒字化するまで2年もかかってしまい、その間赤字が続きましたが、不動産収入でカバーすることができました。
(それでも身を切られるような痛みで、撤退を考えたことも1度屋2度ではないです・・・)
そして、自分の生活費はサラリーマンとしての給料で賄ってきました
(今も副業からの収入は一切生活費には回していません)
不動産収入とサラリーマンの月給、この2本の支えがなければ、サロンは1年もたずに潰れていました。
強力な担保でもあれば別ですが、運転資金がショートしてる商売(=うまく行っていない商売)に銀行は融資しません。
借りられたとしても、ホントに黒字転換できるのでしょうか?
借金が増えて自分の首を絞めるだけかもしれません。。
僭越ながら起業道場参加メンバーのプランで私なりに講評をしてみると、、、
<ベストプラン>
⇒同居している義理の親御さんが改装費を出してくれるらしく、ご本人は会社のシステム部門でサポート担当をやってる方でした。
初期投資実質0円、人件費0円、ストック型ビジネス(一度生徒を獲得すれば毎月売上が積み上がる)
というステキなプランです。
<ワーストプラン>
料理にこだわった高級居酒屋
⇒日本料理店で板前をされている方で、独立して自分の店を持ちたいとのこと。味にこだわる高級感を売りにする。内外装の見積もり取得済みで6000万円・・・
莫大な初期投資、人件費(職人必要)、フロー型ビジネス(日々是決戦)
と絵に描いたような失敗パターンです・・・
この起業道場は定期的に開催されています。
終了済みですが参考に案内ページのリンク貼っておきます。
(それなりに真剣な)他の人の起業プランを聞くのも刺激があって面白いものです。
札幌近郊の方で起業を目指す方は参加してみてはいかがでしょうか?
そんな曲です!
横浜銀蠅 成りあがり